脳のマッサージをするシロダーラ

アーユルヴェーダにはさまざまな施術方法がありますが、中でも珍しいのはセサミオイルを数十分もかけて額に垂らし続けるという「シロダーラ」です。

シロダーラをしている写真はアーユルヴェーダの本格施術のシーンでは必ずといって良いほど登場をしてくるものですが、簡易ベッドに仰向けになった人が頭半分をベッドから前に出すようにし、その額部分にとろりとした透明なオイルが一筋垂れていきます。

初めてその様子だけを見た人は一体何をしているのか?と不思議に思ってしまうような光景ですが、確かにこのシロダーラやそれに似た方法をエステやマッサージの中に取り入れている文化やジャンルは他にはないようです。

ただオイルを頭から浴びているだけに見えるシロダーラですが、実はこれこそがアーユルヴェーダ施術の中核をなすほど重要な役目をしています。

シロダーラは額の中心にオイルがゆっくり落ちていくようにするのですが、この部分は人の意識を司るとても敏感な場所なのです。

使われるオイルはアーユルヴェーダマッサージでもおなじみの施術で、使用時には体温よりも1度くらい高い、ほんのり熱を感じられるくらいのものを使います。

このぬるく滑らかな感触が数十分間一定に続いていくことで、施術を受ける人は感覚が少しぼんやりした一種の瞑想状態になります。

しかし気持ちよさに眠りにつくのとは少し違っていて、全身はリラックスした状態にあるのに意識のツボを刺激されることにより精神のみが覚醒した状態となります。

このことがその人の中に深く眠っていた潜在意識を呼び起こし、それまで停滞していた生命エネルギーを活発化させてくれる効果をもたらしてくれるのです。

本格的なアーユルヴェーダにおいても、シロダーラは精神面での治療をする場合に多く用いられます。

不眠症や生死不安定、過度の疲労感といったことが代表的ですが、他にもストレスが原因で起こっているとおもわれる脱毛や部分的な麻痺、皮膚疾患などにもこのシロダーラが対策として用いられます。

 

不思議なのが、この本人の額に垂らすセサミオイルなのですが、垂らしはじめのオイルに比べ施術終了間際になるほど額を伝って落ちるオイルがきれいになっていくということです。

これは額を通じて体内の毒素が排出され、頭から落ちていくときに一緒に流れ出ていくからとされています。

セサミオイルはアレルギーの心配のない天然成分ではありますが、なんだかそれだけではない神秘的な力を秘めているかのようです。